大晦日RIZIN2017、MVPは火の玉ボーイ五味隆典

あの頃の火の玉ボーイ五味隆典がRIZINに帰ってきた! スポーツ
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2017年12月31日、さいたまスーパーアリーナで、ついに五味隆典矢地祐介が対戦!

スペシャルワンマッチ(RIZIN MMA 特別ルール 5分3R インターバル60秒 72.0kg)で五味隆典と矢地祐介が戦いました。

RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2017 バンタム級トーナメント&女子スーパーアトム級トーナメントFinal ROUNDは2017年の12/29と12/31の2Days開催でした。

その2日目、12/31(日)の7試合目に二人の対戦が行われました。

五味隆典と矢地祐介の戦いの経緯

矢地祐介のSNS発言

二人の戦いは、矢地祐介が五味隆典にTwitterで呼びかけたことがきっかけです。

この段階では矢地祐介個人のTwitter発言に過ぎませんでした。

しかしこの後、急速に話が進み、2017年の大みそかに二人の対戦が決まりました。

握手とファイティングポーズを拒否する五味隆典

二人の対戦が発表されたのは2017年11月29日の記者会見でした。

ここで矢地が五味に握手をしようと手を差し出しましたが、五味はこれを拒否しました。

会場はピリっとしたようですが、私はこういうの嫌いじゃないです。

いつもニコニコしている必要はない。

だって戦いなんだから。近いうちにぶん殴り合う相手だから。

 

試合前日の計量でも第2のピリつきがありました。

五味がツーショット撮影でファイティングポーズを拒否したんです。

お互い上半身を脱いだ状態で対面し、ファイティングポーズをとる矢地。

それとは対照的に何も構えをとらない五味。

スタッフからファイティングポーズをとるように要求されるも五味はそれを拒否。

オロオロする高田総括本部長。

 

五味が対戦相手と顔を合わせないのはいつも通りですが、ポーズを拒否するのは相当珍しい。

スポーツマンシップを問う人もいるかもしれないけど、そんなん知らんわ。

戦うのは二人。真剣に考えてるのも二人。外野は黙ろう。

五味隆典と矢地祐介の試合

大方の予想

これはもう圧倒的に矢地祐介が有利。

9:1?いや、99:1でしょ?

だってここ最近の五味隆典を見てよ、5回連続で1R負けよ?

年齢による影響もあるけど、体を見ても仕上がってない感じが多かった。

 

しかも自虐っぽいコメントまで。

最近の負け試合の後、「今の自分は戦えるレベルじゃなかったということですね」って…

プライド時代の五味隆典の栄光、あの熱狂を知っている人間からすると、本当に悲しくなる。

 

対する矢地祐介はRIZIN参戦後、3回連続で勝利!

若いし勢いがある。実は試合経験も豊富。

身体が強くて、盛り上がる試合ができて、なおかつ勝つ!

 

ん?若い頃の五味隆典じゃないのかこれは。新しい火の玉ボーイなのか。

燃え尽きた火の玉が燃え盛ってる火の玉に勝てるわけないやん!

結局は、矢地祐介の踏み台にされて終わりでしょ。

 

新旧世代交代劇は見てて分かりやすいし、構図がはっきりしてて盛り上がるからショーとしては最高よね。

試合前に流れる煽りPVには絶対「世代交代」とか「新時代」とかのキーワード飛び交うし。

まぁ見てるこっちは結局テンション上がるんだけどね(笑)

 

勝敗は分かってるけど、とりあえず観るかって感じ。

なんだかんだ言ってもやっぱり五味隆典だし。

好きなんだよね、あの人の戦いが。

 

とは言っても、矢地祐介が五味隆典を何ラウンドでどう倒すのかが見どころかなーっていう冷静な自分がいるのは事実。

大番狂わせってさ、起きないから大番狂わせって言うんだよ。

打撃だけならともかく、総合だからもっと起きないんだよ。

燃え上がる火の玉ボーイ五味隆典

試合開始のゴングが鳴り、よく見るシーンのように五味隆典と矢地祐介がお互いの拳を合わせ…ずに矢地祐介がいきなりダッシュして飛び蹴り!めっちゃ奇襲!!

矢地は長身で手足が長く、しかも瞬発力がある。そして膝じゃなくて足の甲で狙う飛び蹴り。

 

いきなりの攻撃に対応が遅れたか、五味は何とか横に避けた…と見せかけて蹴りを食らってしまう!

え?何これ?もう終わるの?山本KIDvs宮田和幸の4秒KOの再来?

ここ最近の五味隆典と同じように、何もできずに負けちゃうの!?

 

しかし芯には利いていない五味、フックで応戦!かなり大きい振り。

それに大して矢地がフックを左右2発合わせる!

ジャブやストレートで様子を見る戦い方じゃない、フックで相手を殴り倒そうとする二人。

これは下手したらどっちか逝くよ!

ていうか様子見とか全く無し。2人とも攻めすぎ!

 

なにこれ怖い。心臓に悪い。

立ち合いでやや優勢をとった矢地が五味の首を捕まえてからの…

ヒザ!

ヒザ!!

ヒザ!!!

ヒザ!!!!

ヒザ!!!!!

何この超展開、早すぎて頭が追い付かんよ!てか五味隆典生きてる!?

まだ15秒経ってないんですけど!?

 

何とか脱出する五味、でも離れ際にもしっかりと打撃を狙ってくる矢地祐介。

お祭り漢って言われておバカっぽい印象持たれてるけど、素直に強い。とんでもねーぞこの男。

 

後ろに下がりながら、それでも五味はパンチを出し続ける!

それに構わず距離をつめて、より多くのパンチを繰り出す矢地!

この短時間に何発打ってんだよこの人達!

会場ワアアアアアア!!!!

ずっとワアアアアアアアアアアアア!!!!

 

そこで矢地のワンツーが入って五味が後ろに倒れる!

あー、五味隆典やられたかー!

短い時間だけど熱かった!ここ最近で一番の内容だったよー!!

 

と思いきや、ロープにもたれかかって一瞬で復活!!!

まだまだやられはしない五味隆典!

会場ワアアアアアアアアアアアアアア!!!!!

 

ていうか倒れる寸前、五味が打たれながらも放ってたパンチが矢地にがっつり当たってた!

バランスを崩してふらつく矢地に一瞬で近づいた五味が右フック!さらに右フック!

お互いもみくちゃになりながらも、組みついて五味が右フック!右アッパー!右アッパー!右ボディ!右ボディ!

実況アナ「右!右!右!右!右!右!」

そんなに気合入れて視力検査せんでいいから。

会場ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!

 

矢地はまだダメージがあるのか対応が遅れる!でも五味の首を離さずキープして致命傷だけは防ぐ。

五味はただただ殴る!ひたすら殴る!とにかく殴る!

右ボディ右ボディ右ボディ右ボディ右ボディ

左手は添えるだけ。ありがとう安西先生。

ドン・フライ高山善広の、あの壮絶な殴り合いを見ているような感覚。

でも殴っているのは五味隆典のみ。

会ワアアアアアアアアアア

 

ここでボディがきいた矢地が倒れて、五味がグラウンドで上になる!

しかしマウントではない。

観客の声援が飛び交う「五ー味!五ー味!五ー味!五ー味!」

まだ矢地は五味の首を離さない。パンチもらいまくって意識薄いだろうにギリギリのところで粘ってる、生存力高い!

しかしそれは、左わき腹がガラ空きってこと。

五味はそのガラ空きのわき腹に上から右ボディ!右ボディ!右ボディ!右ボディ!右ボディ!

放送席のおのののか「アーッ!アアーッ!ア、アーッ!」

公共の電波で流す声じゃないよ!

あと「の」が多すぎ。「右」と「の」でゲシュタルト崩壊しそう。

 

五味はさらに顔に鉄槌、そして超久しぶりの左も混ぜながら上から凄まじい勢いで攻撃し続ける!

あ、これ完全にプライド時代の五味だ…。

燃えたぎってた頃の火の玉ボーイ五味隆典が帰って来たんだ。

いつもここでレフェリーが試合止めてたのを覚えてる。

 

最近の五味はあの頃の面影がほとんど無くなってた。

すっかり燃え尽きて引退を待つだけの衰えたファイターだった。

それがまさに今、リングの中で燃えている。それも、もの凄い勢いで。

 

なんか思い出した、五味隆典って火の玉ボーイの前に天下無双って付いてたわ。

天下無双の火の玉ボーイ」、そのくらい五味隆典は圧倒的に強かったんだ。

誰もが「もしかしたら」と願いながらも、ほとんど諦めていた五味の勝利、それがもう目の前。

 

しかし矢地祐介は諦めない。

いいパンチもらって意識が半分飛びながらも、相手に組み付いて致命傷だけは避ける。

倒れて上から殴られながらも、マウントポジションは取られないように足を動かし、食らい続けないように顔を動かす。

 

人間は本当にギリギリの状態だと冷静な判断なんてできない。

そして矢地は今、本当にギリギリの状態。その状態で適切な対処ができている。

何度も何度も練習を重ねて、動きがしっかり身体に沁みついていることが分かる。

矢地祐介はハイテンションで身体が強いだけの選手じゃなかった。

負けそうなギリギリの状態でも劣勢を押し返せる力をもった選手だった。

おのののかはずっと、「アーッ!アァー!」って言ってた。あびる優かよおのののか。

 

徐々に冷静さを取り戻してきた矢地、上にいる五味の手首を取ってパンチを制御する。

さらに両足で上になっている五味の首を挟んで、上手く引き込む。

三角締めか腕ひしぎを狙っている。

 

攻勢から一転、手と上体の自由を奪われた五味は手を出せなくなる。

矢地はここで一呼吸おけて、意識もそこそこ戻った様子。もちろんダメージはある。

五味は攻めのターンが終わって流れが変わったところを一瞬でひっくり返されるっていう、よくあるパターンか!?

 

矢地の足が首から腰に移ったので五味がもっかい上からパウンドで攻める!

ギリギリで攻撃をよけながら関節を狙う矢地祐介、ポジションを何とかキープしながらパウンドを続ける五味隆典。

上をキープしている五味が若干バッティングっぽい動きになってる。

 

五味が攻め疲れたのか、一瞬動きが遅くなったところで矢地が再び両足で五味の頭をロック!

今度は右手も挟んでいる!つまりこれは三角締め状態!かなりしっかり極まってるよ!

これはさすがに決まったかー!!??

 

しかし五味隆典は諦めない!

残った左手で下の矢地にパンチを放つ。

さらに、あんだけ激しい打ち合いと組み合いの後、もうゼロに近いエネルギーを振り絞って矢地の体を持ち上げる!

会場オオオオオオオオオオオ

そしてマットにドン!!と叩きつける!だが、矢地祐介は三角を緩めることなく締めあげる。

ここで遂に五味隆典がタップアウト、矢地祐介が三角締めで一本勝ちを収めた。

強い矢地祐介、凄い五味隆典

この新旧世代交代劇の結果は、新世代のエース矢地祐介の一本勝ち。

試合時間は1ラウンド、2分35秒。

結果だけみれば、五味隆典はまた1ラウンドで負けた。

 

でも、RIZIN2017大晦日で一番盛り上がったのがこの試合だった。

めちゃくちゃ熱くなった。

試合中、ずっとドキドキしてた。

まばたきしてる間に何かが起きる気がして目が離せなかった。

K-1とかプライド見てた頃の気持ちを思い出した気がする。

 

新旧世代交代劇ってよくあるけど、面白くないものが多い。

試合前の会見や舌戦、PVで煽るだけ煽って、ピークを過ぎたロートルが見せ場も無く若い世代に負ける。

もしくは若い世代が気をつかって見せ場を作ったりする。見ててつらい。

 

そして試合後に若い世代がロートルに近づいて笑顔で握手、抱擁。

番組として、見世物として分かりやすいけど、同じことを繰り返しているといい加減飽きる。

ロートルと若い世代の力が違いすぎてて、純粋に楽しめない。

 

でも、今回の五味隆典と矢地祐介の試合は違った!めちゃくちゃ興奮した!!

五味は結果的に負けたけど、天下無双の火の玉ボーイを感じることができた。

試合が終わった後、試合前にあれだけピリピリしてた二人が打ち解けて、お互いをたたえ合っていた。

五味は矢地とそこそこ話した後、軽く腹パンしてた(笑)

 

二人は似たタイプの選手で、矢地はこれからのRIZINにおいて、プライド時代の五味のようなポジションを担っていく存在。

この戦いは今後の矢地にとって、すごく重要な意味を持つんだろうなぁと勝手に思ってる。

 

勝った矢地祐介は、強さがよく伝わった。あの状態から巻き返せるってのは本当に強い。

元々好きだったけど、もっと好きになった。

今後もこの人の試合は見続けていくし、活躍を期待してる。

階級を上げて調子も良くなってるみたいだし、UFC挑戦も注目したいところ。

 

そして五味隆典、これはもうホントすごい。火の玉ボーイが帰ってきたね。

めちゃくちゃ熱くたぎってたね。

矢地の最初の飛び蹴りが五味の闘争心に火をつけたのかもしれない。

そしそうなら結果的に良かった。

 

五味は打撃以外のテクニックが無いわけじゃない。

けど一番の魅力は、剥き出しの闘争心で相手をなぎ倒す攻めの打撃スタイルだと思う。

それがプライド時代、多くのファンを魅了した五味隆典だった。

 

攻めに偏った打撃主体のストライカーなんてリスクの塊みたいなもので、運悪くカウンターを一発もらって負けることなんてよくあること。

上に行くためには、打撃、グラップリングに関わらず、できるだけ少ないリスクで大きなリターンを取る、負けない戦い方になる。

 

でも今回の五味は違った。めちゃくちゃ熱くなって、がむしゃらに攻めてた。

見てるこっちまで熱さが伝わってきた。放送席の皆さんも叫びまくってた。

久しぶりに画面にかぶりついたよ。

 

矢地祐介にとって、五味隆典はヒーローのような存在。

燃え尽きていた最近の五味ではなく、輝いていたプライド時代の五味と戦いたかったんじゃないのかな。

そしてそれは、今回すごくいい形で果たされたと思う。

 

矢地はお祭り漢ってことでおバカキャラっぽく見られてるかもだけど、普段の戦い方はしっかり相手を見て攻守を組み立てている。

それが今回は、いっきなりの奇襲&ガン攻めで、矢地は五味に「今日はそういう試合をやりますよ」というメッセージを伝えた。

五味はその矢地に応えて、あれだけ熱い試合ができたんだと思う。

 

負けた五味はなんかすごくスッキリした表情をしてた。ここ最近、試合後にあんな顔した五味を見たことないよ。

ああいう立ち位置になると、勝ち負けも大事だけど、納得できる内容かどうかがより大事になるんだろうね。

何も出せずに終わるっていうのが一番萎える。でも今回の五味は、自分の持ち味をしっかり出せた。

 

五味隆典は来年もやるという意思表示をしている。

でも今回ほど五味らしさを発揮して、面白い試合ができるかどうかは正直謎です。

五味本人も、自分がすごろくで言うと上がりの一歩手前というのは感じてるってインタビューで言ってた。

もう若い世代で格闘技界を盛り上げていけると、自分みたいなオジサンが若い子の中に入っているのは気恥ずかしいと(笑)

 

自分のラスカルジムのこともあるし、現役ファイターとしては終盤も終盤。

恐らく五味の試合はあと1戦あるかどうかってところ。

1戦あったとしても本人が調子を上げられるかは不明。

それでも私は五味隆典の試合を見ちゃうんです。なんだかんだ好きなんだよね。

 

大晦日にこんだけ熱くなれて幸せだった。

五味選手も矢地選手もお疲れ様でした。ほんとうにありがとう。

特に矢地選手はボディ食らいまくってお正月は地獄だと思うけど、今後も頑張ってください!

ヤッチくん、私はあなたの試合を今後もずっと見るよ!

五味さんも試合があれば観させていただきます、できれば会場でね!

 

 

 

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